風が裂いた夜の幕(とばり)灯(あかり)もない心で君を探した灰色の空嗚咽のような雪名前のない朝を何度も噛みしめた桜未満のつぼみ胸に刺したままで君の声を真似て息を継いだ紅、ほころびて鼓動が音を立てた過去という名の鬼(おに)を蹴散らしてまだ見ぬ春をこの掌(てのひら)で燃やす新しい「私」がゆらりと目を覚ます蛇のような後悔が足首に巻きついてでも振りほどくより踊ってしまえと笑った畳の匂い釘の音胸の奥に置き去りの夢がまだ生きていた火鉢のような孤独あたためてきた日々やっと気づいた痛みも愛だったと紅、ほころびて言葉が刀になる誰かの正義に斬られるくらいなら自分の弱さに名をつけて抱きしめよう(ふわりふわり)記憶の中でほどけてく糸(ゆらりゆらり)また結びなおすように紅、咲き乱れて命が歌になる傷ついた日々も無駄じゃなかったと鏡の向こう泣いてた私に手を振る「ありがとう」からこの年を始めよう(紅、ほころびて…)ゆらりと春が来る